ステーキやすき焼きというと、わたしのような庶民では日常的には食べられない「ごちそう料理」の代表格。

昨今の日本でもてはやされる高級牛肉はみな脂身が多い肉、所謂「霜降り肉」と呼ばれるモノですよね。

とくに松坂牛や神戸牛など脂身が多い肉「ブランド肉」は、海外でもとても人気が高い。

高級牛肉は脂身が多い肉、サシが多い霜降り肉だということは、「脂身が多い肉はうまい!」と思われている方が多いからなんでしょうけど、ホントに「脂身が多い肉はうまい?」のかということについては、昔から様々な意見が交錯しているようです。

脂身が多い肉は、「苦手」という方も少なくないですしね。

わたしもお呼ばれの席で「A5ランク」のステーキをいただくことがありますが、「ホンの少し」がうまい!と思える量かな…。

たくさんはどうも…。

今回は、高級牛肉の証ともいえる「脂身が多い肉」はホントにうまい?のか、また脂身が多い肉を苦手としている人の理由はどんな点なのかについて見てみたいと思います。

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脂身が多い肉「霜降り肉」の作られ方!?

どれだけ脂身が多い肉、どれだけサシが多く入ったら「霜降り肉」を名乗っていいのかには、とくべつ基準はなく赤味の間にほどよく網目状に脂身、サシが入っていれば「霜降り肉」といっていいみたいです。

だから霜降り肉とはいっても、脂身が多い少ないは「ピンキリ」。

脂身が多い肉=うまい肉というイメージが根付いた日本の肥育農家では、肉牛の品種改良を重ねながら、脂身が多い肉、サシが多く入りやすい血統を作り、なるべく運動をさせずに濃厚な飼料からカラダに脂肪を蓄えさせるといった牛の飼育がなされています。

さらに「人為的に」脂身が多くなるよう、サシが多く入るような肥育技術が普及しているのです。

牛にビールを飲ませている?

これ、脂身が多い肉「霜降り肉」にビールが欠かせないのか?といえばそうではありませんし、肥育農家によっても異なるでしょう。

牛にビールを飲ませる理由は、とくに暑い夏の時期に食欲がなくなった牛の「食欲増進」のためなんですって。

牛に飼料をたくさん食べてもらって、太らせるための工夫といったところですね。

「ビタミンコントロール」で脂身が多い肉が作られている?!

サシが多く入った脂身が多い肉の霜降り具合を見て、チョッと不思議だなと思う方ってスゴイかも?。

だって普通の脂身って、皮下脂肪のように「デーンッ!」とついたり、筋肉の間や内臓のまわりにつくモノです。

それが脂身が多い「霜降り肉」は、赤身の肉の中に網目状にサシがキレイに入っていますよね。

これこそが、人為的に脂身が多い肉、サシが多く入った「霜降り肉」の作り方のキモ、「ビタミンコントロール」によるモノなんです。

肉牛を育てる「肥育期間」のうち、中期と呼ばれる段階で「ビタミンA」の摂取を制限しビタミン欠乏状態におくことで、赤身の部分にまでサシが入りやすくなる技術なのだとか。

ただ、ビタミンAはわたし達と同様、牛にとっても不可欠な栄養素なので、制限しすぎれば体調不良になってしまう。

より格付けの高いランクを目指すにはリスクも伴うようです。

ここまでいくと、わたし達には計り知れない「肥育農家」さんのご苦労があるのでしょうね。

脂身が多い肉はホントにうまいのか?!

いよいよ今回のメインテーマ、「脂身が多い肉はホントにうまいのか?」です。

「当店では、ブランド黒毛和牛のA5ランクの肉を使用しています!」

高級ステーキハウスやすき焼き店でよく見かける、お客様の目を引くためのフレーズですね。

だって、「A5ランク」となれば最上級のお肉ですから。

とくに脂身が多い肉がお好きな方からすれば、魅力的な要素ですし、この店の肉はうまいハズ!って思うでしょう。

牛肉のランク付けってどんな基準なんだろう?!

牛肉の「A」とか「5」とかって、何を表しているのでしょう。

どんな基準で格付けされているのでしょう?。

「おまけ」的な情報かもしれませんが、チョッと寄り道してみましょう。

「A」は、歩留(ぶどまり)等級を表すモノ

牛肉の「枝肉」ってわかります?。

皮や骨、内臓(これも美味しいですが…)を除いた部分である「枝肉」の大きさに関わる基準で、元が同じ体重の牛でも、より沢山の枝肉が取れるのが「高評価」になります。

Aを筆頭に、B・Cの3段階に分かれます。

「5」は、肉質等級を表すモノ

具体的には、下記4つの項目を総合的に見て判断されます。

1.脂肪交雑
脂身の多さ「霜降り」の度合いを、BMS(ビーフ・マーブリング・スタンダードの略)によって判断される基準です。
コレが、どれだけ脂身が多い肉かという度合いってことですね。

2.肉の光沢
肉の色と光沢の度合いを、BCS(ビーフ・カラー・スタンダードの略)の基準で判断されます。
光沢に関しては、見ための印象で判断されるようです。

3.肉の締まりとキメ
これも見ためでの判断。
きめ細かい肉ほど、食感は柔らかなモノとなるとされています。

4.脂肪の色と質
脂身、サシの色と質で見極めます。
脂身の色が白またはクリーム色であることを判断基準にして、その光沢と質感を加えて評価されます。

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脂身が多い肉「格付けの高い肉」ほどうまいのか?!

紹介した肉のランク付けの判断基準を見て、すでにおわかりになられた方もいると思うのですが、判断基準の中に「うまい!」、いや言葉が悪いかな…「美味しさ」についてが加味されていません。

たしかに、検査官がみて「A5」ランクまで高い格付けをなされた肉なら「うまい」可能性はとても高いとは思います。

脂身が多い肉は「うま味」が減っている?!

牛肉の「格付け」が改正される以前、つまり1990年代以前まで最上級とされていた「特選」の牛肉と比べ、現在の最上級の「A5」ランクの牛肉はまったく別物といっていいほど、脂身が多い肉となっています。

脂身が多い肉、サシが多く入った肉がより「うまい!」に繋がっているなら問題ありません。

しかし、脂身が多い肉は「うま味」成分が減ってしまっているとされている点が気になります。

脂身が多くなるほど、とても柔らかくジューシーな食感が高まるのが最大のメリット。

バラエティ番組での、「とろける~!」「箸でも切れちゃう~」など食レポされるのも納得。

その反面、脂身が50%を超えるほど多い肉では、たんぱく質含有量が減ってしまうことで、うま味物質である「遊離アミノ酸」が減ってしまう可能性があるとされているのです。

本来「肉のうま味」は赤身部分を構成する、たんぱく質が酵素で分解されることで生まれる「遊離アミノ酸」から生まれるモノ。

それに対し、高ランクの肉になるにつれ「脂身が多い肉」となり、赤身の量は反比例のごとく減ってしまいます。

つまり「脂身が多い肉」・サシが多く入った高ランクの肉は、けっして「うまい!」に繋がらないともいえる点です。

脂身が多い肉の、トロッとした柔らかでジューシーな食感に幸せを感じるかどうかが、「うまい!」といえるかの分かれ道になりそうですね。

脂身が多い肉が苦手な人の理由は?!

脂身が多い肉が苦手ではない、時折食べるくらいなら「大好き」といっていい私でも「チョッと」感じることがあるくらいですから、「脂身が多い肉が苦手!」という人が多いのはまったく不思議に思いません。

脂身の食感が苦手!

ステーキの端にある脂身の塊りが苦手というモノ。

たしかに脂身の中でも、サシとは違い、皮下脂肪的に「部分的に固まっている」分厚い脂身は、食べると気持ちが悪くなってしまうという方も多いようです。

折角美味しい肉料理ですから、無理せず「脂身」の塊りはよけて食べるのも悪くないですと思いますよ。

見ためには脂身が「うまい!」のかなと思うけど?…

テレビの食レポ見てると、脂身が多い肉を「うまそうだなぁ…」と思っても、いざ自分が食べるとなると、赤身が多い肉の方が「肉本来の味が味わえる」と思うという意見も多い。

冷めた霜降り肉は脂が邪魔!

肉がうまいかは、冷めるほどよくわかる。

熱々の焼いたばかりなら脂身が多い肉でもうまいな~と思うけど、会話を楽しみながらステーキをゆっくり食べていくと、肉が冷めていくにつれ脂が邪魔になってくる…。

脂身の多い肉は胃がもたれる…

以前は、霜降りと称させれる脂身が多い肉が大好きでしたが、年齢と共に「胃がもたれるようになって」と、苦手になってしまう方も多いようです。

お刺身の「まぐろ」でも、以前は「大トロ」が好きだったのに最近は「赤身」が好きになったという方が多いのと同じ感じでしょうか。

ホントに美味しい「脂身の多い肉」とは?

A5ランクの牛肉に占める脂身の量は、実に「75%」にもなっているとされています。

先に紹介したように、脂身「サシ」が50%を超えるほど多い肉は、うま味成分「遊離アミノ酸」が減ってしまう可能性もあり、「A5だから」、「脂身が多いから」は「うまい!」ことに直結しません。

脂身が多い肉が「苦手」という方も少なくないですからね…。

「うまい!」脂身の割合は30%くらい?!

某有名すき焼き店では、「純粋に美味しい肉を」との思いから昭和50年代頃に最高とされた、脂身が30%ほどの「霜降り肉」と称されていた肉に回帰して提供するようになったというニュースが話題になりました。

私たち日本で、脂身が多い肉「霜降り肉」がうまい!と「霜降り信仰」の始まりは、主にアメリカから輸入される肉に対抗するため、日本ならではの格付けを導入されてのモノ。

脂身が多い、格付けの高い肉ほど「うまい!」と信じられるようになったのですが、それがホントにうまい?のかになり、今や「霜降り離れ」にまでなっているのだとか。

わたしが勤める会社は、年に一度のパーティーを市内でも有名な神社に隣接するレストランで開いていますが、そこの料理長も「A4」ランクの肉をあえて選んでいると話していました。

最高ランクの「A5」の脂身が多い牛肉が「美味しい」といわれますが、色々食べ比べた結果「私は米沢牛のA4ランク」を選びましたというのです。

たしかに脂身が多い肉は、トロッとした柔らかな食感やジューシーさが特筆されますが、うま味成分は赤身から得られるモノなのですから、食感とうま味がいいバランスこそが、「うまい肉」なんでしょうね。

まとめ

今回は、高級牛肉の証ともいえる「脂身が多い肉」、「サシが多く入った肉」はホントにうまい?のかについて、やや角度を変えながら見てきました。

たしかに、高級レストランで食べる「A5」ランクのステーキやすき焼きは堪らなく「うまい!」と思います。

今回は、脂身の多い牛肉の作り方から、脂身の多い肉を苦手とする人の理由などまで紹介してみました。

牛肉だけでなく魚介類、とくにマグロなどでも脂が乗った「大トロ」が好きな方もいれば、サッパリとした「赤身」が好きな方もいるのと同じで、脂身に「幸せ」を感じるか、赤身の「うま味」を楽しむかに通じる感じですね。

私は正直、A5ランクとされる脂身の多い肉も「うまい!」と感じますし、先の「料理長」が薦めるA4ランクのステーキも、ホントうまい!と思いました。

その反面「脂身の多い肉が苦手という人の理由」も、その1つ1つを見ると、いつもは脂身が好きな私でさえも実感することがあるモノばかり。

私はまだまだガッツリ食べられて「あ~幸せ~!」なんて思ってますけど、年齢を重ねると共に「脂身が多い肉は苦手」と口にするようになるのでしょうかね(苦笑)。

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