春の和菓子といえば、「春の季語」にもなっている桜餅でしょうか。

淡いピンク色が春の訪れや、おめでたい雰囲気も感じます。

桃の節句の「雛菓子」でもあるくらいですからね。

ひとことで桜餅といっても、関東の主流は、餡をクレープ状の平たい小麦粉のお餅で包んだ「長命寺(ちょうめいじ)」関西では道明寺粉を蒸したお餅で餡を包んだ「道明寺(どうみょうじ)」と似ても似つかぬモノに分かれますし、それぞれ好みも分かれるところです。

いずれの桜餅もお餅が葉っぱで巻かれていることは共通なのですが、この「葉っぱ」こそが桜餅を食べる1つの疑問になっているってことありませんか?。

・桜餅の葉っぱは食べる?食べない?
・桜餅の葉っぱの種類は何?

長命寺と道明寺で好みが分かれるのと同じく、葉っぱを食べる食べないも意見が分かれそうですね。

今回は桜餅の葉っぱについて、種類や正しいマナーまで広く見ていきたいと思います。

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桜餅の葉っぱ何のために巻かれてるの?!

桜餅の葉っぱは、何のために巻かれているものなのでしょうか?。

淡いピンク色に緑色が添えられた「彩り」は、たしかに見た目にも楽しませてくれますが、桜餅の葉っぱには大切な役割が多々隠されているようです。

まずは、桜餅の葉っぱの種類は何なのか?ここから探ってみましょう。

桜餅の葉っぱの種類は何?

桜餅に巻かれている葉っぱは、多くの方がご存知のように、桜餅の名の由来ともいえる「桜の葉」です。

ただし、春のお花見を代表する桜「ソメイヨシノ」の葉ではありません。

では、桜餅の葉っぱに使われている種類は何でしょうか?。

関東の桜餅の主流「長命寺」のはじまりとなった江戸時代ころは、隅田川の土手に咲いていた「ヤマザクラ」の葉っぱが使われていました。

現在も東京向島にある和菓子屋「長命寺」さんのHPには、桜餅の由来が紹介されています。

桜もちの由来は、当店の創業者山本新六が享保二年(一七一七年、大岡越前守忠相が町奉行になった年)に土手の桜の葉を樽の中に塩漬けにして試みに桜もちというものを考案し、向島の名跡・長命寺の門前にて売り始めました。
その頃より桜の名所でありました隅田堤(墨堤通り)は花見時には多くの人々が集い桜もちが大いに喜ばれました。
これが江戸に於ける桜もちの始まりでございます。

現在の隅田川の土手は「ソメイヨシノ」一色ですが、それは明治以降に植え替えられたもの。

江戸時代の隅田川の土手に咲く多くの桜は「ヤマザクラ」だったのです。

桜餅の葉っぱ、現在は「オオシマザクラ」の葉っぱが主流!

現在の桜餅に巻かれている葉っぱの多くは、伊豆半島南部地域で栽培されているモノ。

温暖で雨が多く、葉っぱが大きく柔らかなことや葉っぱの裏側に産毛が生えていないのが特徴で、食用として桜餅に巻く葉っぱとして重宝されるようになったそうです。

また、その葉っぱの大きさもお餅と葉っぱのバランスから、「長命寺」が主流の関東では大きめの葉、「道明寺」が主流の関西では小さめの葉を好んで使われているようです。

桜餅の葉っぱは香りづけ?

桜餅を食べたときの香りは、桜の葉っぱに由来します。

桜の葉っぱ自体に元々香りはないのですが、塩漬けにすることで独特の桜の香りが現れるというのですから不思議なものですね。

桜餅の葉っぱは乾燥防止?

どんな和菓子・お餅も、乾燥は大敵です。

固くなってしまいますからね。

桜餅に巻かれるオオシマザクラの大きな葉っぱには、乾燥を防ぐ役割も担っています。

桜餅の葉っぱは甘みを引きたたせる隠し味?

和菓子の多くの材料には、隠し味的に「塩」が入っていますよね?。

砂糖など甘み成分だけでなく、少しの塩味を加えることで餡の甘みを引き立ててくれるものです。

オオシマザクラの葉を塩漬けした桜餅の葉っぱのやさしい塩味も、桜餅のお餅や餡の甘さを引き立たせる隠し味になっているのです。

「香りづけ」「乾燥防止」「隠し味」、ここまで考えつくされて始めたものではないにしても、「試し」で桜の葉っぱの塩漬けをお餅に巻いてみたことが現在の桜餅の始まりになっているのですから、「お餅に桜の葉っぱの塩漬け」って和菓子業界にとってすごい発明でしたね!。

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桜餅の葉っぱは食べる?食べない?

桜餅を食べるときにチョッと考えてしまうのが、「桜餅の葉っぱは食べる?食べない?」ですよね。

・桜餅の葉っぱは食べるものでしょう!
・桜餅の葉っぱは彩りの飾りでしょう!

人それぞれ、桜餅の葉っぱについては色々意見があると思いますが、ここで再び「長命寺桜もち」のHPを覗いてみると

「桜もちを包んでいる葉、あれは取るんですか?食べるんですか?」
当店へのお問合せで一番多いのが、この質問です。
逆に「どうなさっておられますか?」とお尋ねしますと、
「葉は取る」というお方もあれば、「葉も一緒に食べるのが江戸っ子」という方もおられ、なかには「1枚だけつけて食べる」折衷派も。
もちろん正解はありません。食べ物は、やはりそれぞれのお好みで召し上るのがなによりだと思いますが、
当店では、桜葉をはずしてお召し上りいただくことをお勧めいたします。

ここにも「葉も一緒に食べるのが江戸っ子」とありますが、一般的に桜餅は「葉っぱごと食べるのが通!」と言われているのもたしか。

そもそも、桜餅に巻く葉っぱは柔らかく食べやすいようにとオオシマザクラの葉が使われているわけですし、お餅や餡の甘さを引き立たせる隠し味となるものですから、一緒に味わうのが通といわれるのも頷けます。

でも、先に紹介した「長命寺桜もち」のHPにも紹介されているとおり、「葉は取る」「1枚だけつけて食べる」など、そこに「正解はない」ようです。

まして、桜餅「長命寺」の元祖といえる「長命寺桜もち」では、「当店では、桜葉をはずしてお召し上りいただくことをお勧めいたします」とまであります。

桜餅の葉っぱは食べる?道明寺の場合は?

桜餅で関東の主流となっている「長命寺」を題材に、その葉っぱを食べる?食べない?を見てきましたが、結論としては「決まり」はなく、本人次第といったところでした。

ただ、関西の桜餅の主流「道明寺」の場合、お餅の材料道明寺粉のもち米のしっとり感が強く、葉っぱがお餅にくっついて剥がしにくいこともあるので、特に人前で食べる場合には「一緒に食べる」方がスマートかもしれませんね。

お茶会などで桜餅がだされたら!?

桜餅の葉っぱは、食べるも食べないもひとそれぞれで、「葉っぱも一緒に食べるのが通」だと思うも、「塩味が強すぎて…」と剥がして食べるのも、結果的にはお好きにどうぞという感じ。

しかし、お茶会などチョッと特別な雰囲気の場では少々話が違ってくるようです。

茶道の場合には流派の違いが大きく、

・桜餅の葉っぱを剥がしてお餅の下に敷く、食べたあとに残った葉っぱは懐紙に包んで持ち帰る
・桜餅の葉っぱは、お餅と一緒に食べる

いずれのパターンもあるようです。

なかなかお茶会などへ出席する機会も少ないでしょうが、もしもの場合には周囲の方に事前に聞いてしまった方が安心かもしれません。

桜餅の葉っぱを食べるか食べないか迷ったら?!

自分1人でもしくは家族で桜餅を楽しむなら、葉っぱを食べるか食べないかは、その時々お好みでいいことは分かりました。

お茶会などチョッと特別なシーンでは、流派によるので不安な場合は事前に確認しておくと安心ということも。

もっと身近な問題は、友人・知人と一緒にイートイン出来る和菓子屋さんや自宅にお呼ばれしたときかもしれません。

そんな時こそ、その場の空気を読むことも大切かもしれません。

もっとも無難なのは、一緒に食べる方の様子を見て食べるか食べないかを決めるも1つではあります。

また、桜餅の葉っぱを食べるか食べないかは、自分では食べる食べないを決まっていても「人前では?」となると迷う方も多いハズ。

ここは1つ、今回の記事を題材に「桜餅の葉っぱは食べる?」を話題にされては如何でしょうか。

まとめ

今回は、春を感じる和菓子の1つ「桜餅」の、それも桜餅を巻いている葉っぱを中心に見てきました。

なんとなく桜の葉が使われていることは分かっていた気がしましたが、身近な桜「ソメイヨシノ」の葉っぱではなく、元は「ヤマザクラ」、現在は「オオシマザクラ」の葉が使われていたことを改めて知りました。

桜餅の葉っぱ、「食べるか食べないか」

悩みとはいわずとも、実はけっこう引っ掛かってきた問題です。

結果的には、塩漬けにして食べられるように加工されたモノですから、食べる・食べないは「お好みで」といったところでしょう。

問題は、「桜餅を人前で食べるときに葉っぱを食べるか?食べないか?」だと思います。

まずは、一緒に食べる方に合わせるのが無難だと思います。

その上で、気軽に話せる間柄なら「桜餅の葉っぱ」の由来などを話題にしつつ、食べるかどうか楽しんでみては如何でしょうか。

その際に、今回の記事が参考になれば嬉しいです。

同じ年代の方どうしなら、お互いきっと同じ気持ちで盛り上がれるかもしれませんよ!。

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