いよいよ今年も、「夏本番」を迎えますね!。
そろそろ蝉も、賑やかに鳴きはじめる頃です。
最近、仕事から帰宅後のお楽しみは、子どもたちとの夜の昆虫採集(笑)。
子どもたちのお目当ては、もちろん「クワガタ・カブトムシ」。
我が家から100mほど離れた公園を取り囲むように植えられた樹々で、毎年クワ・カブ君たちがたくさん獲れるんです!。
夜の昆虫採取のもう1つのお楽しみが、「蝉の羽化シーン」!。
蝉の一生を考えると最大の「クライマックス」ともいえる、それは実に神秘的なモノ。
さらに、羽化後の「成虫」としての寿命はとても短いとされ、どこかで「一週間」くらいでは?と聞いたこともあります。
そんな短い大切な一週間の寿命を、子どもたちは「キャッキャッ!」いいながら、網で獲っては狭いカゴに入れて奪ってしまう…。
昔から続く、子どもたちの「夏のお楽しみ」を一概に悪いとも言えず…。
けれど、蝉が「生き物」である以上、命の大切さ、「蝉の一生」について、子どもたちに教えておくべきだと思ったんです。
僕もクワ・カブ中心の昆虫好きの1人ですから、「蝉」といえども気になりだしたら止りません!。
・蝉の一生の期間はどれくらい?
・蝉の寿命は一週間ってホント?
今回はこの辺りについて、チョッと探ってみましょう!。
目次
蝉の一生は?!長い幼虫期間!
蝉といっても、ワタシが知ってるのは「ミーン・ミン・ミー」や「ツクツクホーシ!」と鳴く成虫の姿だけ。
しいて言えば、羽化した後に残された蛹(さなぎ)の抜けカラくらいでしょう。
実際に、蝉の「幼虫」の姿など見たコトはなく…。
蝉の一生って?
「蝉の一生」なんていうとチョッと仰々しいですが、できるだけ簡単におさらいすると。
蝉は「卵」から生まれる昆虫。
前年に親の蝉のメスが樹の幹や枯葉などに産みつけた卵は、翌年孵化して「幼虫」となります。
幼虫は、自分の力で土へ穴を掘るように潜っていき、地中で数年間過ごします。
地中で成熟した幼虫は、いよいよ地上に出てきて成虫へと羽化するというワケ。
成虫の蝉は、「子孫を残す」繁殖するために必死に飛び、パートナー探しのためにそれぞれの「種類独特」の鳴き声で鳴き続けるのです。
ちなみに鳴いているのは「オス」の蝉だけ。
蝉のメスは、鳴くコトもできないのだとか。(知らなかった…!)
それじゃ、子どもたちに捕まってる蝉の多くは、より目立つように鳴いていた「オス」の蝉ってコトなんですね。
メスに出会う前に、子どもたちにアピールしちゃってたみたいです…(残念)。
蝉の長い幼虫期間!!
先の「蝉の一生」の中の99%以上、ほぼ全てといって過言でない期間を、土の中で「幼虫」の姿で過ごします。
蝉の種類にもよりますが、大体1年~5年くらい。
よく「蝉の幼虫期間は7年くらい」と言われてきましたが、昨今の研究結果からは、意外にもいくぶん短い説が現れたみたい。
たしかに、種類によっては10年を超える幼虫期間の蝉もいるので、一概に言えない面もあるのでしょう。
けっこう派手に鳴く「ツクツクボウシ」だと、幼虫期間は1~2年くらい。
もっともポピュラーな「アブラゼミやミンミンゼミ」では、2~5年。
より大きなニイニイゼミやクマゼミになると、3年~5年ほどの幼虫期間だとされています。
よく見聞きしてきた「7年」ではなくても、2年~5年とされる幼虫期間は、やはり長いモノですよね。
この幼虫期間の長さ、実に不思議です…。
だって、生命を宿されたら「なるべく早く」外に出たい!って思うのが生物の摂理な気がします。
ワタシ&子どもたちが好きな「クワガタ・カブトムシ」だって、幼虫期間はだいだい1年くらいですから。
ナゼ2年~5年もの長い期間、蝉は幼虫で過ごすのでしょう?。
それは、蝉の幼虫は「のんびり屋さん」だから。
蝉の幼虫は少しづつしか成長しない!
調べてみると、蝉の幼虫は実に「のんびり屋さん」でした!。
蝉の幼虫の栄養は、「木の樹液」。
地中の根の部分から吸って成長します。
成長期には、けっこう大量の樹液を吸うというのですが、問題はその「成長期」。
蝉の幼虫の成長期は、年に2回。
それも1回あたり1ヶ月ほどしかないので、なかなか成長しないのです。
なんて「のんびり屋さん」なんでしょう…。
ほかの昆虫のように、セッセと成長すれば翌年の夏には「成虫」になれるだろうに…。
1年に2ヶ月分づつしか成長しないから、2年~5年もかかるんです。
さらに温度や栄養の関係で成長が遅れると、「成虫になるのは来年でいいよね…」って諦めちゃう。
だから、蝉の幼虫期間はドンドン長くなってしまうし、種類によっては「3~5年」とされるように、個体によってバラツキが出るんです。
蝉の寿命は一週間?!
たしかによく、「蝉の寿命は一週間くらいしかない」って聞きます。
「一週間」に限らずとも、蝉の寿命は「短い」というイメージされているのではないでしょうか。
その「寿命」って、朝から「ミーン・ミーン」と鳴いている、成虫の姿の蝉の寿命のコト?…ですよね。
蝉の寿命を幼虫期間から含めたら、それこそ「2年~5年」ととても長いモノになってしまいます。
でも、「一週間」レベルの話しとなれば、きっと成虫の寿命をさしての話しですよね。
蝉の成虫の寿命は意外に長かった!?
みなさんの多くは、きっと、蝉の寿命って「一週間くらいでしょ?」って信じてませんか。
たしかに、ワタシたちが目の前の虫かごに入れられた蝉は、「一週間」生きれば長い方でしょう。
でも蝉がもつ「本来」の寿命って、3週間~1ヶ月ほどにもなるというのです。
「本来」の…なんてもったいぶっていう理由は、色々な外的要因で寿命が短くなってしまうからです。
まずは、かなりの確率でカラスなどに食べられてしまってます。
スズメ蜂も天敵!。
さらには、子どもたちが必死で捕まえ、狭いカゴに入れられちゃってます…。
蝉の寿命は「一週間」となぜ言われるの?!
これこそが、蝉にとって「可愛そう」なお話しですよ!。
例えば、捕まえてきたクワガタやカブトムシの場合、少しでも長く生きて欲しくて、観察したくて、子どもたちも「土のマット」を敷いたり樹液の代わりに「昆虫ゼリー」を餌にあげたりします。
けれど、公園で捕まえてきた蝉に「やさしい環境」など、一般家庭で作れるワケないんです。
クワ・カブ君たちにも羽はありますが、どちらかといえば、木陰のジメっとした場所を好み、モグモグ歩いているイメージ。
蝉くんは?といえば、あの「羽」ですよ!?、飛びたいに違いありませんって!。
狭いカゴに入れられてるだけで大きなストレスです。
ストレス一杯の狭いカゴに入れられ、樹液を吸うコトもでない蝉は…1週間もたずに死んでしまうのです。
これこそが、蝉の寿命は「一週間」と言われるワケ。
自分も子どもも「昆虫好き」を名乗るなら、蝉を「捕まえる楽しさまで」はヨシ!としましょう。
チョッとカゴに入れて、「ギィー・ギィー!」鳴く元気な姿を観察できたら、「長生きできるように」と、逃がしてあげるコトも子どもたちに教えてあげたいものです(苦笑)。
まとめ
今回は蝉の一生について、幼虫・成虫それぞれのステージの期間の長さや、ワタシたちが目にする成虫の寿命について探ってくるなか、意外な点が多々ありました。
蝉の幼虫期間が「長い」ということは、以前からよ良く見聞きしてきました。
幼虫期間は「7年」にも、なんて聞いたこともありましたが、日本でよく見られる主な蝉の種類を見ると、それは2年~5年くらい。
それでも「長い」幼虫期間ですが、蝉君じたいが「のんびり屋さん」なのですから、「自業自得」。
いや…言葉が悪かったかもしれませんが(苦笑)、1年で2ヶ月分くらいしか成長しないのですから、致しかたありませんって!。
蝉の成虫の寿命も「環境さえ整えば」、本来3週間~1ヶ月とけっこう長いモノだってこともあらためて知りました。
その寿命を縮めてしまっているのも、ワタシたちが捕まえてしまっているコトも1つ。
子どもたちと一緒に、昆虫採集を楽しむ時間。
蝉の一生を例えにして、「命の大切さ」も伝えられればイイですね!。
そうそう!。
冒頭でも紹介した、蝉が幼虫から成虫へなる「羽化シーン」。
ホント神秘的で、見入ってしまうコト間違いありません!。
夕方頃から土から這い出てきた幼虫は、樹を少しづつゆっくりと昇り羽化する場所を定めます。
羽化シーンの時間は、深夜がメインの時間帯ですが、夜8時~9時頃でも、けっこう遭遇できます。
神秘的な蝉の「羽化シーン」。
夜の昆虫採集を兼ねて、子どもたちと一緒に探してみては如何でしょう?!。