お正月から1ヶ月、2月3日といえば「節分」ですね。
正直、今からチョッと気が重い…。
というか…嫌いなものかも(苦笑)。
なぜ?
節分といえば、鬼を追い払う「豆まき」ですよね。
鬼の由来もわからず、子供ながらに「鬼なんているワケないでしょ?」なんて思いながらも、毎年「鬼はそと~!」と豆まきさせられてました。
それが、恥ずかしいのなんの…(苦笑)。
「声が小さいっ!、それじゃ鬼が逃げていかないよ!」
なんて、よく怒られてましたよ。
それが今では2児のパパ。
「鬼」に扮して、豆を投げつけられる番ですよ。
節分の日の夜は、仕事から帰るなり玄関先で「鬼のお面」を渡されて、「鬼はそと~!」ってさ…、オイオイ(笑)。
パパは鬼じゃないでしょ~。
でも思えば「節分」って、よくわからないコトが多くありませんか?。
例えば、僕も子供のころ「いるワケないでしょ?」と思っていた、「鬼の由来」って何なんでしょう?。
鬼といえば、ドリフターズの「長介・工事・ブーのご存知雷様」の印象が強いんだけど…。
あの、黒鬼・赤鬼・緑鬼の3人コントね。
あとは、豆以外で「鬼が嫌いなものは?」というところでしょうか。
この時期、スーパーで「豆」と並んで「柊鰯(ひいらぎいわし)」なるモノが売られていますが、みなさんご存知ですか?。
少々前置きが長くなりましたが、今回は、そんな節分の主役?の「鬼の由来」や「鬼の嫌いなもの」を中心に、節分にまつわるアレコレ探っていきましょう。
鬼は「色」によって、意味が違うなんて知らないでしょ?(笑)。
目次
節分の鬼の由来は?!
桃太郎や一寸法師など、昔話に登場する「鬼」はどれも怖いモノだし、悪いモノ。
だからこそ、話の中で退治されて「めでたし・めでたし」となるのですけどね。
そんな鬼の由来も、まず、節分の意味を探っていくことで見えてきそうですよ。
なぜ節分に鬼が現れるのか?
節分になると、鬼を追い払うために「豆まき」をすると聞いて育ちましたが、なぜ節分になると鬼が現れるんでしょうね。
普段の日は、鬼はどこに隠れているのでしょう?(笑)。
節分というと、私たちは「立春」の前日の2月3日と思うのが普通だし、一般的にそれでOKなんですが、節分とは元々、年に4回の季節の変わり目を指す「四立(しりゅう)」立春・立夏・立秋・立冬の前日のコトを指すモノなんです。
なかでも、今も2月3日だけが広く「節分」として残っているのは、昔の暦(旧暦・太陰暦)でいうところの1年の終わりだから。
つまり、立春が新年を迎える日なれば、2月3日の節分は大晦日にあたり、4回の節分のなかでも特に重要視されていたことに由来しているのです。
そもそも季節の節目の日「節分」には、邪気が集まりやすいと言われてきました。
今でも、季節の変わり目は風邪を引きやすいなど、とくに体調管理に気をつける時期だとおもいます。
昔の人々は、病気や災難はすべて邪気が集まるからだとされ、次第に邪気を鬼と例えるようになったのです。
また、中世の「陰陽道」では、旧暦の大晦日にあたる2月3日の節分の夜は、陰から陽にガラッと変わる時とされ、普段身を隠している鬼がや魔物が現れやすいと考えられていました。
つまり、節分の鬼とは、病気や災難などを引き起こす「邪気」を意味する象徴のようですね。
鬼の由来は?
鬼とは邪気の象徴で、「鬼(おに)」という言葉も「陰(おん)」や「隠(おぬ)」に由来すると言われています。
「陰」とは目には見えない気・邪気を指し、「隠」には隠れているこの世のものとは思えぬ怖いモノという意味があり、これらが変化した言葉という説もあります。
人間の創造を超える災害、流行り病、飢餓など、情報化が進んだ現在の私たちならわかる原因も、昔の人々は形の見えない恐ろしい鬼の仕業だと考えていたのです。
鬼の姿は鬼が現れる方角に由来している?!
さて、鬼の姿の由来。
冒頭で紹介した、ドリフターズの「長介・工事・ブーのご存知雷様」の黒鬼・赤鬼・緑鬼の3人コントでもお馴染みのように、鬼の姿といえば、頭に「角(つの)」となぜか「虎柄のパンツ」ですよね(笑)。
けれど、そんな私たちが思い描く「鬼の姿」って、じつは鬼が現れる「方角」に由来したモノだったんです。
鬼ってどこから現れると思いますか?。
よく「鬼門」って聞きますよね。
陰陽道では、「北東」を鬼門として鬼が出入りする方角とされています。
今でも、家の中央から見て鬼門にあたる方角に、玄関やトイレ、お風呂や台所など水を扱う場所を配置しない風習が残っていますよね。
十二支ってあるじゃないですか。
子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・未(み)…と12種類の動物で表す「干支」です。
ところで、今年は何年…?。
というように、現代では亥年や子年などと使われることが多い十二支ですが、元々は「方位」や時間を表すのに使っていたモノ。
1日を24時間で表す時計に子・丑・寅・卯・辰・未と当てはめていくと、鬼が出入りするとされる鬼門は、2時の「丑」と4時の「寅」に挟まれるトコロ。
もうお分かりですね!?。
角に虎柄のパンツという鬼の姿の由来は、丑(牛)と寅(虎)に由来したモノだったのです。
鬼の色にも由来が!?
鬼の色といえば、「赤」を思い浮かべる方が圧倒的に多いでしょう。
スーパーの「豆まきセット」にある鬼のお面も、ほぼ100%「赤」ですし。
でも鬼の色って…
先のドリフターズの「長介・工事・ブーのご存知雷様」では黒・赤・緑の3色の鬼が登場するし、他に青や黄の鬼もいますよね?。
節分の鬼とは、病気や災難などを引き起こす「邪気」の象徴だと前途しましたが、人の目に見えないハズの鬼に、なぜこんなに沢山の色があるのでしょう。
そういえば、子供に人気の「戦隊シリーズ」も、「赤・青・緑・黄色・黒」のいずれかと「桃」を合わせた5色ですね。
善と悪、どちらも5色…?。
鬼の色の由来を調べてみると、代表的な「赤・青・黄・緑・黒」の5色については、仏教の「五蓋(ごがい)」と呼ばれる教えからきているモノでした。
鬼とは、病気や災難を引き起こす邪気だけでなく、自らの悪い心「煩悩(ぼんのう)」を表すモノだとされているのです。
・貪欲(とんよく)
・瞋恚(しんに)
・掉悔(じょうけ)
・睡眠(すいみん)
・疑(ぎ)
赤鬼・青鬼・黄鬼・緑鬼・黒鬼にはそれぞれ、これら5つの煩悩が当てはめられています。
ドリフターズの「長介・工事・ブーのご存知雷様」では、いかりや長介が黒鬼・仲本工事が赤鬼・高木ブーが緑鬼でしたが、それぞれの色にはどんな意味があるのでしょう。
赤鬼
(仲本工事)
赤鬼は五蓋でいう「貪欲(とんよく)」を表す、欲望や渇望など、すべての悪の象徴。
鬼=赤というイメージも納得です。
青鬼
青鬼は五蓋でいう「瞋恚(しんに)」を表す、悪意や怒り、憎しみの心の象徴。
黄鬼
黄鬼は五蓋でいう「掉悔(じょうけ)」を表す、心の動揺や後悔、わがままな心の象徴。
緑鬼
(高木ブー)
緑鬼は五蓋でいう「睡眠(すいみん)」を表す、やる気がでない・ダラダラ過ごす倦怠や、不摂生で不健康な象徴。
黒鬼
(いかりや長介)
黒鬼は五蓋でいう「疑(ぎ)」を表す、疑心暗鬼や卑しい心の象徴。
仏教の教えが由来ともあって、チョッと小難しい意味になってるかもしれませんね。
でも、緑鬼と高木ブーさんって、キャラ的にぴったりだと思うのは私だけ?。
いかりや長介さんの黒鬼も、ダメだコリャ!のツッコミ系キャラだし…。
ドリフといえば、加藤茶と志村けんを合わせた5人だけど、「ご存知雷様」を5人でやってたら、それぞれ何色の鬼になっていたんでしょうね?(笑)。
節分で鬼が嫌いなものといえば…?
「鬼は外!福は内!」と節分の日に豆まきをするのは、「豆は鬼が嫌いなもの」だからと聞いて育ちましたが、本当のところはチョッと違う理由だったようなんです。
小難しい話を子供たちに説明してもわからないだろうから…と、「豆=鬼が嫌いなもの」仕立ててしまったようですね。
豆は鬼が嫌いなものではない!?
オイオイ、本当か…?と、耳を疑うような話ですが。
もともと節分に日に豆まきをする風習は、古来から中国で行われていた「追儺(ついな)」と呼ばれる行事に由来します。
追儺とは、病気や災害を引き起こす邪気を打ち払うため、鬼のお面を被った人(追い払い役)を桃の木の弓と葦の矢で射って追い払う、大晦日に行われる行事でした。
日本に伝わったのは奈良時代ですが、室町時代ころからは社寺で「豆打ち」にとってかわり、江戸時代ころには庶民が「豆まき」として親しむ行事となっていったのです。
ここでの疑問は、「なぜ豆なのか?」というコト。
節分の日に豆まきをするのは、「鬼がきらいなもの」という理由ではなく、古くから米・麦・豆など穀物には「穀霊」が宿るとされ、「魔除け」のチカラがあると考えられていました。
なかでも、豆まきに使う大豆は米より大きく、より穀霊のパワーが大きいと考えられるコトや、魔物(鬼)を滅する「魔滅(まめ)」を豆にかけ大豆をまくようになったといわれています。
鬼が嫌いなものだから豆をまくのではなく、豆に宿る魔除けのパワーで鬼を追い払うというイメージでしょうかね。
豆まきの豆は炒り豆であること!?
さらに、大豆なら何でもいいワケではなく、豆まきに使う豆は「炒り豆」でなければなりません。
語呂合わせで、炒るは「射る」に通じるからです。
また、生の豆をまいてしまうと芽が出てしまい「縁起が悪い」からとされているのですが、こんな興味深い説がありました。
昔、鬼が里に下りてきては子供が食べられてしまうことに困った村人が、「鬼を何とかして欲しい!」と神様にお願いをした時のコト。
神様は村人には、「炒った豆を家の外にまいておきなさい」と告げたそうです。
逆に鬼たちには、「もしも家の外にまかれた豆から芽が出ていたら、その家の子供は食べてもいい。
でも、芽が出ていない家の子供を食べたなら、死ぬほど懲らしめるからな!」と…。
しかし、お告げ守った村人の家の豆からは、決して芽が出ることはありません。。
こうして村の子供たちは、鬼から救われたのです。
ハハっ(笑)、鬼も神様のいうコトは守るのですね。
節分の「柊鰯(ひいらぎいわし)」も鬼が嫌いなもの?!
節分の風習といえば、最近は豆まきに次いで「恵方巻」となるのでしょうか?。
でも、恵方巻を食べる習慣が全国に広まったのは1990年代後半からで、その歴史はまだまだ浅いモノなんです。
節分の風習の大古参となれば、日本古来から続く「柊鰯(ひいらぎいわし)」を玄関などに飾るコト。
柊鰯とは、鰯(いわし)の頭にトゲトゲしい柊の枝を刺した、病気や災難を元となる邪気が家に入るコトを防ぐと信じられてきた「門守」の1つなのです。
節分を前に、スーパーでも豆と並んで売られていたりするモノなのですが、お若い方だと「なんだコレ?」とスルーしていたかもしれませんね。
見えない邪気の象徴「鬼」の嫌いなものは、鰯の生臭い臭いと柊のトゲトゲしい棘とされ、鬼が家に入ってくることを防ぐと信じられてきたモノです。
詳しくは、 節分に飾るいわしとひいらぎの由来は?どこの地域?作り方や飾り方! で紹介しています。
最近は、節分で柊鰯を飾られる方も少なくなりましたが、いざ飾るとお子さんたちから「何これ~?」って聞かれること受けあいですよ(笑)。
節分には鬼が嫌いなもの、鰯を食べる風習も!?
節分では、鰯(いわし)は「柊鰯」として飾る以外に、食べるといいとも言われます。
鰯の頭は「柊鰯」として飾り、身の部分を焼いて食べることで鰯の臭いが家の中に充満し、鬼が入ってこれないようにするのだとか…。
見た目も臭いも、「この家ヤバイ!」って鬼に思わせるワケですね。
まとめ
今回は、「節分の鬼の由来は?鬼が嫌いなものは?」をテーマに、節分にまつわるアレコレ探ってきました。
人間の想像を超える災害、流行り病、飢餓など、情報化が進んだ現在の私たちならわかる原因も、昔の人々はにとっては邪気がもたらすものと考えられ、その象徴を鬼と例えられたんですね。
・鬼の姿の由来
・鬼の色の由来
については、これまでなんとなく見ていたモノにも意味があったことを、改めて知りました。
ドリフターズの「長介・工事・ブーのご存知雷様」を例えに紹介してきましたが、高木ブーさんの緑鬼が、仏教の教え五蓋でいう「睡眠(すいみん)」を表す、やる気がでない・ダラダラ過ごす倦怠や、不摂生で不健康な象徴というのが、キャラ的にぴったりで思わず笑ってしましました(笑)。
また、鬼が嫌いなものといえば、豆まきに代表されるように「豆!」と思われガチです。
しかし節分の豆まきは、鬼が嫌いなものというより、豆をはじめ米や麦など穀物に宿る「穀霊」の魔除けパワーに肖った(あやかった)モノだったんですね。
節分の風習の1つとして、鬼が嫌いなものとされる、鰯(いわし)の頭に柊(ひいらぎ)の枝を刺した「柊鰯」についても紹介しましたが、ご存知でしたか?。
これまでスルーされてきた方も、節分を前にスーパーなど店頭で、一度手に取られてみては如何でしょう。
さてさて、今年の2月3日。
節分の日に鬼役になるのなら、手作りのお面で「黄鬼」にでもなろうかなと…。
自己中心的な甘え(ワガママ)が、少しでも直ればいなぁ~と思って…(苦笑)。