年末の大掃除を気持ちよく終えたなら、旧年(今年)の歳神様に感謝しつつ、新年の歳神様を気持ちよくお迎えする「正月飾り」をするのが古くからの慣わしです。
スーパーなどでは11月中旬にもなると、早くも正月飾りが並びはじめますものね。
お正月は1年の始まりであり、その年でもっとも大切にされる年中行事。
「新しい年はいい年になりますように!」と、まずは歳神様をお迎えするための正月飾りをバシッと決めたいところですが…、正月飾りについては結構「わからない」と悩まれる方も少なくないと思います。
・正月飾りは何をどこに飾るのがいい?
・正月飾りはいつ頃飾るのがいい?
今回は、「正月飾りはどこに飾る」を中心に、正月飾りにまつわる情報を見ていきたいと思います。
昔から続く正月飾りの風習ですから、きっと1つ1つに意味があるハズですから。
目次
正月飾りの種類と飾り方
正月飾りの風習も地方ごとに違いがあるものですが、代表的な正月飾りの種類としては、「門松」「鏡餅」「しめ縄」といったところでしょう。
ここでは全国的に知られた代表的な正月飾りについて、それぞれぞ「意味」や「飾り方」について押さえていきたいと思います。
門松(かどまつ)
門松は、歳神様がこれを目印に来て下さるものだとされています。
門の前に飾られた門松は、とても目立ちますからね。
歳神様も迷まず、家へ来てくれそうです。
常緑樹である「松」は、1年中緑色を保ち神様が宿る樹だとされ、「竹」には大きくグングンと成長する強い生命力が、「梅」は春を象徴するもので1年の始まりを意味します。
まさしく「松竹梅」で表現された、おめでたい正月飾りですね。
門松はどこに飾る
門松は、門扉の外か玄関の外に飾ります。
基本的には門か玄関に左右に飾り、「雄松」と「雌松」を対にして左右対称に飾るものだとされています。
中心にまっすぐ立つ3本の竹は長・中・短の長さとなっていて、それぞれ中くらいの長さの竹が「外側」になるように飾りましょう。
大きな門松になるほど歳神様へのアピールが強そうですが、マンションやアパートではなかなかそうもいきません。
略式として玄関の左右に置ける「小さなサイズの門松」も売られていますし、「松の枝」一振りを飾るという形もあります。
紙に描かれた門松の「絵」を門や玄関へ貼るという形でも、歳神様へアピールする役割としては十分だといわれています。
それぞれのご家庭の環境に合わせた門松とするのが、現代的なスタイルでしょう。
鏡餅(かがみもち)
鏡餅は、歳神様への大切なお供え物です。
お餅は「お米」から作られるもので、旧年の豊作への感謝と、新年の豊作を祈願してお供えするものです。
お正月が終わったら、おめでたく家族で食べるのが前提の飾り物ではありませんよ(笑)。
(最終的には美味しくいただきますが…)
鏡餅はどこに飾る
鏡餅は大小の丸いお餅を2つ重ね、上に橙(だいだい)を飾ります。
大小のお餅は陽(太陽)と陰(月)に例えられたもので、この2つを重ねることで、落ち着きのある安定した1年となるの意味があります。
お餅の上に飾る橙には、「代々(だいだい)栄えますように」との意味が込められています。
歳神様へのお供え物である「鏡餅」を飾る場所は、家の中でももっとも格式が高い場所とされる「床の間」や「神棚」です。
しかし最近は、床の間も神棚もないというご家庭も多いハズ。
床の間がない場合には「玄関から遠く奥まった場所」に置くとする例もありますが、人が集まるリビングの上座や、キッチンなど目につくところでもOKだとされています。
歳神様だって「奥まった場所」よりも、人が集まる場所の方がいいしょうしね。
しめ縄(しめなわ)
しめ縄は、「注連飾り」とも呼ばれます。
しめ縄には「ここから先は神様の領域です」という意味があり、裏返すと「お迎えする準備が出来ています」という歳神様へのアピールです。
略式としての「輪飾り」も、可愛いらしいものが多く扱われているので、選ぶのも楽しいですよね。
しめ縄・輪飾りはどこに飾る
しめ縄や略式とされる輪飾りは、玄関のドアの上に飾るのが一般的です。
「ここから先は神様の領域」という魔よけの意味合いもある正月飾りなので、「しめ縄」は難しい場合には「輪飾り」だけでも飾っておきたいものですね。
正月飾りはいつ頃飾るのがいい?
門松・鏡餅・しめ縄など代表的な正月飾りについて、どこに飾るのがベターなのかについて見てきましたが、「いつ頃」飾るのがいいのか?も気になるところです。
正月飾りを含めたお正月の準備期間としては、「松の内」入る12月の13日(関東では12月8日)~年内12月28日までがいいとされています。
「二十八」という数字には、日本人が大好きな「末広がり」の八の字が含まれていますからね。
ところで、12月29日・30日・31日ではなぜダメなのでしょう。
正月飾りを飾るのがよくないとされる日も?!
正月飾りを31日の「大晦日」の日に飾るのは「一夜飾り」と呼ばれ、まるで「慌てて飾りました!」形で、歳神様へも失礼であるといわれているので避けたいところ。
29日は「二十九」で、これまた日本人が連想する「苦」が含まれています。
では30日は?というと、実は30日は旧暦では毎月「晦日」であって、現代の31日「大晦日」と同じ意味を持つ日だったのです。
つまり、大晦日の日に飾る「一夜飾り」と同じ意味となってしまうものなんですね。
ということで、29日・30日・31日という3日間は「正月飾りを飾るのがよくない日」とされるのです。
でも年末間際までお仕事など色々忙しい現代ですから、少々遅れてしまった場合には、30日までに飾るのことを意識されればいいのではないでしょうか。
まとめ
今回は、「正月飾りはどこに飾る」をテーマに見てきました。
正月飾りには「おめでたい」飾りのイメージがありましたが、意味・由来としては歳神様をお迎えするためのもので、「我が家へどうぞ」をアピールするものや、「お供え物」であったと認識を新たにしました。
また門松やしめ縄は、家の外から目につくもの。
どこに飾るのかを知っておけば安心ですね。
正月飾りは、歳神様を気持ちよくお迎えするものです。
まずは「1年の汚れをスッキリさせてから」という気持ちが大切になるのだと思います。
だからこそ、「大掃除」が年末の慣わしになっているのでしょうね。