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会社でたばこを吸う人がいると、しょっちゅう仕事を抜けてタバコを吸いに行きますよね?

このタバコ休憩って、労働時間に入るのでしょうか?

非喫煙者の方は、「タバコ時間が労働時間に含まれるのは不公平」だと感じるでしょうし、喫煙者の方は、「タバコを吸うのは当然の権利。休憩時間扱いされるのはおかしい!」と感じるでしょう。

いったい、どちらが正しいのでしょうか?

今回は、タバコ休憩が、法的にどのように取り扱われているのか、解説します。

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タバコ休憩は労働時間とみなされている

タバコ休憩は、労働時間になるのでしょうか?それとも、休憩時間になるのでしょうか?

実は、現在の日本では、実際の企業の現場において、タバコ休憩は労働時間とみなされています。

そこで、業務中にタバコを吸いに行っても、その分給料を減らされることはありません。

そもそも、タバコを吸う行為は、人格的権利として憲法上の保障を受けると考えられています(憲法13条)。

そして、判例の考え方によると、「休憩時間」と言えるためには、「完全に労働から解放された状態」である必要があると考えられています。

通常、タバコ休憩中でも、何かあったらすぐに仕事に戻らないといけないわけですから、「完全に仕事から解放されている」とは言えません。

そこで、タバコ休憩の時間も、労働時間として計算されるのです。

タバコ休憩が労働時間に含まれるかどうかが争われた結果、労働時間に含まれると判断した裁判例もあります(大阪地方裁判所平成21年8月25日)。

タバコ休憩は、人が日常生活を送るのに必要なトイレ休憩と同じように理解されていると言って良いでしょう。

タバコ休憩を休憩時間にする方法

それでは、タバコ休憩を休憩時間にすることは、一切不可能なのでしょうか?

実は、そういうわけでもありません。

判例の考え方によると、タバコ休憩が労働時間に含まれるのは、「いつでも仕事に戻れる状態だから」です。

そこで、「完全に仕事から解放される時間」としてのタバコ休憩を一律に設定してしまえば、タバコ休憩を休憩時間とすることができます。

つまり、タバコ休憩の間は、何があっても一切仕事をしなくて良いことにするのです。

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ただ、休憩時間を設定するときには、基本的にすべての労働者に対して平等に設定する必要があります。

そうすると、非喫煙者に対しても、タバコ休憩を与えないといけないことになります。

また、休憩時間を定める場合には、きちんと長さや取得方法などを規定しなければなりません。

タバコ休憩は、通常5分程度ですから「1日2回、1回5分」などと定めなければならないのです。

このような細切れの休憩時間が設定されても、非喫煙者にとってはうれしくないでしょう。

喫煙者からも「もっと自由に吸わせてほしい。余計にストレスが溜まる」と言われてしまうかもしれません。

そういう意味で、タバコ休憩を設定する方法は、少々非現実的です。

ノーワークノーペイとは?

タバコ休憩を一律に設定することができないなら、喫煙者は、どれだけ好きにタバコを吸いに行っても、給料を減額されることがないのでしょうか?

そのようなことはありません。

労働と給料には「ノーワークノーペイ」という考え方があるからです。

すなわち、働かない人に対しては、給料の支払をしなくて良い、というものです。

そこで、極端なほど長いタバコ休憩をとる社員がいる場合には、ノーワークノーペイの原則に従い、減給を行うことも可能となります。

たとえば、タバコ休憩と称して1時間も2時間も仕事を抜けるようなことがあったら、その分減給できるということです。

以上のように、タバコ休憩については、喫煙者と非喫煙者の間で意見が対立するところだと思われますが、両者の調整を図っていくことが大切です。

みなさま、参考にしてみて下さいね。

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